身だしなみ
今朝の新聞に神戸の郵便局に勤める男が、ひげや長髪を理由に窓口業務から外され、手当てを月五千四百円減額されたのを不服として慰謝料などを求めた裁判の記事が載っていた。
判決は郵便事業会社に三十七万円の慰謝料を払えと言うもの。私も個人の自由を法律で制限する事自体は反対だか、ファッショ以外の何物でもない禁煙の包囲網が広がっている中で、この国の自由はほんとよう分からん。
一番解せないのは女裁判長の判決理由。「身だしなみは個人の自由で、郵便窓口の利用者は特別に身なりを整えての対応を期待していない」だと。一体このオバハンは何を根拠にそんな事が断定出来るのか?一日どっかの郵便局にいて出口調査でもやったのか?
たとえば一泊五万も六万もする一流ホテルのボーイがひげや長髪だったら、許されないだろう。身だしなみは個人の自由というなら、一流料亭の仲居がベリーショートで香水をつけまくってもいいのか?ひょっとしてこの裁判長は郵便局ごときは一流のサービス業ではない、と言っているのか?それならそれで逆に凄い判決とも言える。
しかし私に言わせれば、ひげや長髪なんて物は自由業の人間にしか許されない物であり、また、だからカッコいいのである。今は民営化されたが、元々親方日の丸の総本山である郵便局に就職しておいて、酒場の親父やミュージシャンのお株を取ろうというこの男の根性がいけ図々しい。退職してから好きなだけひげでも髪でも伸ばしゃいいのである。
五十八にもなって自由をはき違えてる男と、それに金ぴかのパスを与える裁判官。嗚呼。